ソニー平井社長交代と業績悪化(1)

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ソニーは、平井社長に社長が交代しました。平井社長は、業績悪化したソニーを見て、ソニーグループの方向性統一を意識しているようです。


(1)ソニー業績悪化とリストラ

ソニーの業績は苦境が続いており、経営再建のためにリストラが続いてます。
ソニーの業績悪化は、驚かなくなった方も多いかもしれません。ソニーのリストラは人員削減だけでなく、不動産などの資産も現金確保のために対象となっています。

ソニーの業績悪化と経営者交代について、2012年10月1日の日本経済新聞が報じているので見てみましょう。

(2)プレイステーションの後にヒット商品がない

かつての輝きを失ったソニー。最後の大型ヒット商品「プレイステーション」の発売からまもなく18年になる。再起を託されたのは51歳の平井一夫。創業者の盛田昭夫を入社式でしか見たことがない平井世代は、果たしてソニーを救えるのか。
ソニーのプレイステーションシリーズの大ヒットは、数字を見ると誰もが納得するのではないでしょうか。プレイステーションとソフトの販売数は、概算で金額を見ても兆円単位になっていることが分かります。
ソニーがゲーム市場に参入して成功した事は、プレイステーションやゲームソフトを兆円単位で販売していることからも分かると思います。

日経が指摘していますが、管理人も考えてみると、プレイステーションの成功から、ソニーが新しい分野を開拓して大成功したと言う事が思い浮かびません。ソニーの平井社長は、ソニーの衰退について組織に問題があると考えていたのかもしれません。

(3)ソニー本社での平井社長

役員会議室とのやりとり

「これだけは約束してほしい」。3月中旬、東京都港区のソニー本社ビル20階にある役員会議室。2週間後に社長になる平井は、居並ぶ新経営陣の顔を見渡した。
ソニー本社ビルで、平井社長が役員就任が決まった後に、経営陣に対して訓示を行ったようです。

平井社長のスローガン

「6カ月後に『あの時俺は違うと思った』と言うのは、なしだ。違うと思うなら今、言ってくれ」。その気迫に押されたのか、平井の再建方針に異論は出なかった。
平井が掲げたスローガンは「ワン・ソニー、ワン・マネジメント」。逆に言えば、これまでいくつものソニーと、いくつものマネジメントがあったことになる。
平井社長は、ソニーの経営組織を意識している事が分かります。ソニーがDeNAの大株主だが売却か検討しましたが、ソニーの事業分野が多岐にわたっていることが分かります。

(4)テレビ事業 8期連続赤字

米国暮らしが長い平井の言葉を借りれば「アライメント(統一感)とスピードが足りないマネジメント」が続いた結果、テレビ事業は8期連続の営業赤字、ソニー本体の最終損益も4期連続の赤字に沈んだ。
ソニー赤字の原因は、固定資産の減損損失が原因です。ソニーはデジタル家電事業の業績悪化により、多額の減損損失を計上しましたが、その中心はテレビ事業です。

ソニーと言えば、家電のイメージがある方が多いと思います。ソニーの決算書を見ると、ソニー金融の売上と利益割合がすごく、家電事業の不振が分かると思います。

(5)井深大が本田宗一郎に講演を依頼

ソニーを襲った長き停滞。はるか昔にそれを予見した男がいる。ホンダ創業者の本田宗一郎だ。 
本田は親交の深かったソニー創業者の井深大に頼まれ、ソニーの部課長の前で一度だけ講演した。1976年10月のことである。本田は好きな将棋を引き合いに出してこう言った。 
ぼかぁ、いっぺん王様抜きで将棋を指してみたい。王様を守らなくていいんだから、楽だ。(自分の将棋はへぼ将棋だが)升田幸三名人は『あんたのところは歩をうまく使っている』と褒めてくれた。升田さんによると、歩をうまく使うのが名人だそうだ」
ソニー創業者の井深大氏が、ホンダ創業者の本田宗一郎氏に講演を依頼しています。本田宗一郎氏の例え話は、組織として社員を使いこなす事の重要性を示唆してたのではないでしょうか。

本田宗一郎ソニー講演の名言で講演内容をまとめましたが、飛車、角将よりも歩のよさについて、分かりやすく説明していますね。

(6)ソニーとホンダの違い

この年、ソニーの創業者、盛田昭夫が社長を退いた。いつまでも盛田のような「王様」に頼っていては成長が止まる。73年に右腕の藤沢武夫とともに社長・副社長を退く鮮やかな退任劇を演じた本田ならではの警句だったが、その後もソニーは王様に頼り続けた
ホンダは、本田氏と藤沢氏の退任が、象徴としてあげられていますが、ソニーの経営者の逸話について見てみましょう。

(7)ソニー歴代社長の逸話

社用機ファルコンの操縦かんを握り、ベルリン・フィルハーモニーを指揮した大賀典雄。ダボス会議で世界の要人と丁々発止の議論を交わした出井伸之。米放送業界の大立者で母国英国ではナイトの爵位を持つハワード・ストリンガー。
ソニーの社長について逸話が並んでいますが、飛びぬけて凄い人物が並んでいる事が分かります。
  • 大賀典雄 ファルコンの操縦かんを握り、ベルリン・フィルハーモニーを指揮
  • 出井伸之 ダボス会議で世界の要人と議論
  • ハワード・ストリンガー 米放送業界の大立者、ナイトの爵位
ソニー社員は、優秀な事で有名ですが、ソニー社長が近寄りがたい存在が分かる逸話であると思います。

(8)意欲ある社員の退社

歴代ソニーの最高経営責任者(CEO)は常に近寄りがたい王様だった。しかし自陣で王様を守ることにエネルギーを費やした結果、ソニーは勢いを失った。 
敵陣に飛び込んで金になろうという野心を持つ社員の多くが、会社を去っていった。平井は今、盛田時代から続いたカリスマ型のスタイルを変えようとしている。
本田総一郎氏は講演で、 ホンダは歩の使い方が上手いといわれた事を語っていました。将棋で歩は、相手側に近い(縦)3マス×(横)8マスに入ると、金になります。

ソニーが、意欲のある社員を生かしきれなかった点を現しているのでしょう。平井社長に社長交代後は、社員を生かす事ができるようになるのか注目ではないでしょうか。平井社長ソニー再建(2)に続く。
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